ごあいさつ

院長 菊池英亮

 奈良県総合医療センターは、2018年(平成30年)5月1日に、薬師寺・唐招提寺といった世界遺産を抱く「西の京」にほど近い、奈良市七条西町に高度急性期医療を提供するセンターとして新たに開院しました。したがって、2020年6月現在、開院後2年を経過したことになります。移転直後から、私たちは質の高い医療を提供できる医療機関となるために二つの取り組みを行ってきました。一つは、第三者評価である「ISO9001」の取得です。医療の質の向上、医療マネジメントシステムの確立を目指して「ISO9001」の取得に取り組み、2019年4月1日に『ISO9001」の認証を受けることができました。もう一つは、大学病院に準ずる、高度な医療を提供している病院とされる「DPC特定病院群」の取得です。病院全体での取り組みの結果、2020年2月に厚生労働省より「DPC特定病院」としての認定を受けることができました。奈良県総合医療センターは、これらの取り組みを通して今後も質の高い高度急性期医療を提供する医療機関として活動して参ります。

 さて、奈良県総合医療センターには、1)救命救急の充実、2)周産期医療の充実、3)専門的ながん医療の充実、4)小児医療、5)精神医療、6)糖尿病診療、7)災害医療の7つの目指すべき柱があります。「救命救急医療」は、命にかかわる重症な患者を確実に受け入れ、救命率を向上させることを目指します。また、手術室の拡充、集中治療室を増床し、高度急性期医療の体制の充実を図っています。新センターは県民の命を守る「最後の砦」として「断らない救急医療」を実践して参ります。「周産期医療」では、ハイリスクの妊産婦・新生児搬送の受け入れ体制を強化し、安心して出産ができる環境を整備しています。「がん医療」は、手術・放射線治療・化学療法・緩和ケアの充実に務め、がん患者のトータルサポートの拠点として活動し、先進的で質の高いがん医療の提供を行っています。「小児医療」は奈良県北和地域の急性期小児医療の拠点としての役割を果して参ります。「精神医療」では、身体疾患を合併する精神疾患患者さんを受け入れる体制を整備しました。「糖尿病診療」では、専門医による急性期合併症、急性増悪時の治療を実施し、地域の医療機関との連携を強化します。「災害医療」では、新センターは大規模災害時にもインフラ供給が継続して確保できるように医療継続計画(Medical Continuity Plan)を策定し、災害拠点病院としての機能を発揮します。このように奈良県総合医療センターは、奈良県北和における地域医療の総合的な拠点としての機能の充実を図って参ります。その上で「患者にとって最適な医療の提供」の達成のため、「チーム医療の推進」、「医療の質の標準化・透明化」、「医療の質の評価」、「患者およびその家族へのサービスの提供」などを推進して参ります。一方で、医療人の育成も重要な課題です。患者にとって最適な医療を提供するためにも、「最高レベルの医の心と技を持った人材の確保・育成」は最も重要であると考えます。患者に寄り添い、患者の気持ちを理解でき、優れた医療技術を有した医療人を育成したいと思います。

 ところで、2020年は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)がパンデミックになった年として記憶される事になるでしょう。奈良県総合医療センターでは、患者さんの治療はもちろんのこと、医療スタッフの安全を確保し、院内感染の防止に全力で取り組んでいます。新型コロナウイルスとの戦いはこれからも長く続きますが、職員一丸となって、重点病院としての責務を果たして参ります。ご理解賜りますようお願いします。

 最後になりましたが、奈良県総合医療センターは、これらの取り組みを通して、奈良県の「地域社会」に貢献し、さらに信頼されるセンターとして活動して参りたいと考えています。皆様のご支援ご協力を宜しくお願い申し上げます。

2020年(令和2年)6月1日
院長 菊池 英亮

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